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日高村と水害。そしてめだか池/日高村観光協会高野さん

日高村デジタルコンテンツ(YouTube動画)制作担当です。
村人寄稿では、日高村在住の方や以前に住んでいた方などに協力いただき、「日高村について」毎月1記事を投稿いたします。今回は、日高村内の観光ツアーを行ったり、村内で様々なイベントを開催している日高村観光協会の高野さんに寄稿いただきました。
それではご覧ください。


めだか池(日下川調整池)

日高村は有史以来、水害の多い土地だったそうです。
海洋プレートが海溝やトラフに沈み込む力を受けて、細長い日本列島はできています。
この時に四国山脈などの高いところもできれば、反対に深いシワとなった低地の部分もできるとのこと、日下川沿いはまさにこの深いシワの部分になるそうで、太古から水につかりやすい土地であったとのことです。

また人の営みが、水との戦いに追い打ちをかけた側面もあります。
江戸時代、今の高知市や土佐市など多くの人々が住む、下流平野部の田畑を潤す用水路を引くため、仁淀川には八田堰・鎌田堰という堰が築かれました。
堰が作られたことで、堰より上流は川底が数メートルも高くなってしまったそうです。
日下川と仁淀川の合流点は、この堰の上流にあることから、元々水に浸かりやすい土地であった日高村はますます水はけが悪くなり、いつまでも水が引かない日高村、300年を超える水との戦いの歴史が繰り広げられることになります。

近代の日高村の治水対策は、3本の大きな柱で成り立っています。

『止める』:仁淀川の水位上昇時に水門を閉じて日下川への逆流を防ぐための神母樋門
『流す』:高低差がある堰の下流部に水を流す放水路トンネル(現在3本目の放水路トンネル令和4年度末完成に向けが工事中です)
『貯める』:一時的に水を貯め内水被害を軽減するため、日下川調整池・戸梶川調整池の二つの調整池が作られています。

日下川調整池は、14ヘクタール(東京ドーム3個分!)の面積を誇ります。
平常時の日下川調整池は、冬場は渡り鳥の楽園になるほか、春から秋にはたくさんの種類のトンボが繁殖する場所になっています。
他にも湿地性の少し珍しい植物もあり、たくさんの鳥類や昆虫、植物が暮らす生態系の宝庫と言える場所です。
また、近辺には桜や3000株を超えるアジサイなどの様々な花々も植えられており、親水公園的な役割も果たしています。

様々な種類のトンボが見られる日下川調整池ですが、イトトンボだけで10種類以上確認されているそうです。
10年ほど湿地帯散策(めだか池フットパス)などの観光プログラムなどで調整池と関わってきましたが、近年少し気になる状況も感じます。

チョウトンボという、蝶に似た文様があるトンボは、ヒラヒラとはかなく飛ぶ姿が何とも美しく、アジサイの時期から秋口まで以前はたくさん乱舞していました。
平成26年、大きな水害があった年を境に、翌年は1頭も見かけることがなかったです。
また以前は、夏場、水面のほとんどを覆っていた『ヒシ』という植物が、ここ3年ほどで激減しています。
それに合わせ、イトトンボの数もすごく減ってきているように感じています。

今年、調整池の一部に『ヒシ』がたくさん生き残っているエリアを見つけ、その周辺ではたくさんのチョウトンボが乱舞する姿を見ることができ、とてもうれしく感じています。

身近にある生き物の楽園、めだか池(日下川調整池)

季節や場所に応じて、色々な生き物たちの発見があります。

のんびりと周遊するもよし、じっくり観察するもよし。
是非、四季折々の顔を見せるめだか池に遊びに来てください。

日高村観光協会では、ガイドさんと共に歩く『湿地帯散策(めだか池フットパス)』
という観光プログラムも実施していますので、ご興味がある方は日高村観光協会のホームペ―ジをご覧ください。


いかがでしたか?
日高村観光協会さんでは様々なツアーや、実際に観光情報の発信なども行っています。
こちらは日高村観光協会さんのYouTubeチャンネルです。


ぜひ、一度ご覧いただく、もしくは遊びにきてくださいね。


日本の高知のほどよい田舎"日高村"。

高知県の県庁所在地「高知市」から約30分。
人口約5000人の村で、特産品のフルーツトマトを使ったオムライス街道で村おこしをしています。観光スポットとしては小村神社、名越屋沈下橋、霧山茶園などがあります。

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